↑入場特典の0巻(中身ショボかった)
こんにチワワ、もうすぐ年末という事実に恐怖を覚える私です
今回はタイトル通り映画の感想、日曜日に観てきました
のですがこれを見た理由特殊でしてね……
実は私、転スラを観たこと読んだことってのは一度もありません(異世界系は何が面白いのか理解できないので見る気起きない、何故ウケているのか程度の分析ならできますが……)
なのに何でお前映画観に行ったんねんとツッコミたくなる人もいるでしょう
まあその理由が特殊でしてね……間違えて席を余分に取っちゃったと言われ誘われ、観に行ったわけです
個人の好き嫌いはあれど転スラは間違いなく人気作、ここで観ておくのも悪くはないでしょうという事で観に行ってきました
ですのでこの記事は「転スラ知らん奴が映画観た感想」ということになります
あ、一応ネタバレ注意
・ストーリー全体として
めっっっっっっちゃくっっっっっちゃ微妙です、マジで
別にボロクソに叩くほどのクソストーリーでもないし、かと言ってめちゃくちゃ面白くもない1番評価するのに困る凡作
以下簡潔(とは言っても長くなる)に微妙すぎる理由を綴ります
・あっけなく解決する提示された問題たち
例:ヒイロの復讐、毒に侵された泉、森の開拓
詳しくは後述しますが、すぐに問題を解決するが故に話全体にメリハリがなく、観ていて退屈な時間が多かったです
良く言えばストレスフリーな展開、とは言えるでしょう
悪く言えば毒にも薬にもならないしょうもなさすぎる展開です
・ヒイロとトワの描写が絶妙に足りない
全体的に説明不足、スライム達のしょうもないコントとかするならヒイロとトワのエピソードをもっと書いて欲しかった
特に終盤現れた敵役、あいつが如何にトワと国に関わってきたのか、というのはヒイロとトワの関係を描きつつ徐々に提示していくべきだったでしょう
(そうすればヒイロが黒幕を信頼している理由もわかりやすくなるしね)
いきなり悪い奴が現れてお前が黒幕か! と言われても「そうですか……」としか感じません
まあヘイト貯めさせるのは上手いとは思いましたが、この映画の中ではの話ですけど
・倒すべき敵、この映画の目的っていうものがハッキリしない
前述した通り提示された問題が次々に意図も容易く解決されてしまうので、一体全体この映画の最終的な目標ってのは何なのか、非常にわかりづらい
例えばジュラシックパークなら「恐竜の島にやって来たぞ!→トラブル発生→がんばって脱出する!」と非常にわかりやすい展開なのですが
今作の場合は「豚に復讐!→解決!→森を開拓したい……→すぐ解決!→泉の毒が……→一瞬で解決!→トワを蝕む呪い……→一瞬で解決策を見出す!→突然現れた悪い人っぽい人(は?)→以下略」といった感じでコロコロ目的が変わります
一つの映画に対して目的がありすぎます、そしてそれを解決するのが異常に早すぎます
まあ言っちゃえば「トワの住む国(とトワ自身)を救う」が目的なのでしょうが、中盤あたりでスライム達が一仕事やり終えた感を出して自分たちの国に戻ってるのも良くなかったですね、あそこで連続して続いていた話が途切れちゃってる
一旦「国を救う」と言う目的を達成してしまっているので、その後また国がピンチになったとしても「また救うんかいな」としか感じず、ワクワクはしませんでした
しょうもないですね
・あまりにも命を軽率に扱ったクソ展開
これちょっとドン引きでしたね……主人公に命を軽く扱うな的な事を言わせておいて、この作品自体がめっちゃ命を軽く扱っているクソムーブ
観た人はわかると思いますが終盤のあそこです、ドラゴンボールもビックリな生き返り連鎖
「ヒイロ死亡→悲しい」→「トワ渾身の力発揮、ヒイロ復活→嬉しい」→「トワ死亡→悲しい」→「トワ復活→嬉しい」というアホムーブ
もうあまりのうんこ展開に思わず笑いかけましたね、倫理観ヤバすぎ……
これするくらいなら2人とも最初から殺さないでいいですよね? と言わざるを得ません
恐らく「代償による死」で悲劇を演出したかったのでしょうが、しかし「ヒイロとトワが人気になって死亡展開で批判されたら嫌だな……」みたいにチキって結局2人とも生き返らせた感じでしょうか?
チキって殺しはしないけど悲劇は演出したいから死亡→生きかえるの展開を2連続でやりました!
しょうもないですね!!!
・キャラの見せ場が弱すぎる
これ1番の問題だと思います、割と良いキャラ多いのに見せ場作るの下手くそすぎ
例えば主人公のスライム、終盤黒幕がパワーアップを図るのですが、普通はパワーアップした敵との戦いが繰り広げられるじゃないですか
この作品無いんですわ、なんかよくわかんないうちにパワーアップ中の敵が瞬殺されました、なにこれ
瞬殺するにしても派手な必殺技とか出してカッコ良く決めればいいものの、なんか変な黒いの出して瞬殺、リアルで「えっ?」って声に出しちゃいましたよ、興醒めにも程がある
なんなら一緒にいた犬の方が目立ってましたね、ちゃんと必殺出してたし
ディアボロ(だっけ?)VSヴィオレ(だっけ?)も強者同士の素晴らしい戦いが見れると思ったら存外しょうもなさすぎる戦い、何あれ?
ディアボロが強すぎるってのは別にいいんですが、相手が強者だと分かってなお自信満々に戦いを挑むヴィオレを圧倒的強者として描かなかったのには不満があります
(ヴィオレってこの映画を見る限りではありますが、強者として設定されてるよね?)
要するにディアボロにはめっちゃ強いとわからせる展開があるのに対して、ヴィオレにはそれがなかったのです、まあ頑張ってますね程度の戦闘描写のみ
割とヴィオレみたいなキャラ好きなので、まあ不満ですねめっちゃ不満
片方を持ち上げる展開ではなく、両方を明確に持ち上げる展開をしてもらいたいものです
・印象に残る場面、セリフがない
所謂「見せ場」と言うものがこの映画には存在しません
例えば無限列車編で言えば「俺は俺の責務を全うする!」
例えば呪術廻戦0で言えば「来い里香!」
例えばコナン映画で言えば「らあああああん!・(ボールを蹴って)行けええええ!」等
大体の映画には最大の見せ場となるシーンが存在するのですが、転スラはちょっと……思い浮かびませんね
すぐに思いつかないそれ即ち「印象に残ったシーン」と言うものが存在しないってわけです
強いて言えばヒイロが変なボールを取り出すところ……?
微妙すぎると感じた理由は以上、次は面白かった部分について
・ヴィオレはかわいかった、カッコよかった
これは完全に個人の好み、私はかっこいい女性が大好きなので無論ヴィオレも好きな感じではあります
まあ結構ドストライクです、ヴィオレ出るなら転スラ読んでもいいかな……と思うくらいには
だからこそディアボロだけ持ち上げるクソ展開には不満があるのですが、まあこれは私が「強者を持ち上げるために片方を弱者に見せる」と言う見せ方が大嫌いと言うのもあります
(ベニマルVSヒイロは上手く表現できてたのになんでスライムVS悪魔、ディアボロVSヴィオレは出来ないんですかね?)
・なんか色々惜しいキャラ、ヒイロ
ヒイロはそうですね、マジでなんか色々惜しいキャラだなと思います
ヒイロを単純に表すとこんな感じ
・復讐者
・命を救ってくれた君主に、自身の命を捧げるほどの忠誠心の持ち主
・悲しい過去……の持ち主
・頼れる兄貴キャラ
ヒイロを主役に、上手く脚色すればかなり面白くなると思うんですよね
上記に挙げた要素が、この映画だと満遍なく中途半端に使われていて、観ていてモヤモヤしました
例えば復讐者、開幕10分ほどでこの要素は取り払われます
復讐者と言うのは数多の作品でメインとして取り扱われているのを見ればわかる通り、上手く使えば非常に盛り上がるキャラクター属性です
序盤は明らかに復讐者の話に入る流れだったので、復讐者がメインの暗い話なのかなと思ったらそんな事のない、はっきり言ってしょうもないストーリーでガッカリ
例えば忠誠心、これは劇中でヒイロがトワに忠誠心を見せるエピソードが少なくて残念(トワのために命を投げ出そうとする場面はありますが、言っちゃえば「それだけ」)
例えば悲しい過去、本来だったらこれを乗り越えるために紆余曲折するのですが割とあっけなく乗り越えちゃいました(まあその後も悩んでいたりはしましたが、描写が短すぎる上に少なすぎる、もっと感情を爆発させて欲しかった)
例えば頼れる兄貴キャラ、これは終始スライムの方がそんなムーブをしていたのでこの要素は目立ちませんでしたね……
兄貴キャラなのに所々ベニマルを上に見ている節があったのも良くない点、どっちの方が立場が上かよく分からない(恐らく対等な立場にいると描きたかったのでしょうが)
もう一回ヒイロをしっかりと主役に据えて、作品を作り直して欲しいなーと思います
例えばそう、スライム側の出番を削りまくってヒイロ・トワ目線のみでストーリーを進めましょう
スライムの活躍見たいならアニメで観れるしね
・映像のクオリティは高かった
どんな映像をクオリティが高いと言うのかは人それぞれですが、私的には満足しています
特に序盤のヒイロVS豚はめちゃくちゃ良かったですね、あそこがこの映画のピークと言えるでしょう
(そう考えるとこの映画、序盤だけは面白いな、導入部分は良かったし)
というわけで感想+ちょっとした分析は以上です
総評としては「観て損はしないけど別にわざわざ映画館で観る価値はない凡作」って感じですね、多分テレビで観ても面白さは変わらないと思います
まあ転スラ好きな人なら楽しめるでしょう、アニメ映画ってのは既存のファンを喜ばせられたらそれで充分なのです
にしても惜しいなあ……本当に、ヒイロをもっと上手く使えていればかなりの良作になったような気がするのですが